ビタミンB群と疲労回復の深い関係|8種類の働き・摂り方・食品を徹底解説

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ビタミンB群と疲労回復の深い関係|8種類の働き・摂り方・食品を徹底解説

「毎日しっかり寝ているのに、なぜかいつも疲れている」「エナジードリンクを飲んでも一時的にしか効かない」——そんなお悩みを感じたことはありませんか?
その原因の一つとして、ビタミンB群の不足が挙げられています。ビタミンB群は体のエネルギー代謝に欠かせない栄養素であり、不足すると慢性的な疲労・集中力低下・神経症状などを引き起こすことが複数の臨床研究で示されています。
本記事では、PubMedに掲載された査読済み論文をもとに、ビタミンB群の種類・働き・効果的な摂り方を10,000字超でわかりやすく解説します。


目次

1. ビタミンB群とは?8種類を一覧で整理

ビタミンB群とは、水溶性ビタミンの総称であり、現在8種類が確認されています。かつては「ビタミンB複合体(Vitamin B Complex)」として一括りに分類されていましたが、科学の進歩によってそれぞれ異なる構造と機能を持つ独立した栄養素であることが明らかになりました。

共通する重要な特徴は、すべてが補酵素(コエンザイム)として働くという点です。酵素は体内でエネルギーを作り出したり、細胞を修復したりする化学反応を促進しますが、その酵素が正常に機能するためには補酵素であるビタミンB群が必要不可欠です。

名称 別名 主な働き 代表食品
ビタミンB1 チアミン 糖質のエネルギー変換・神経機能維持 豚肉・うなぎ・玄米
ビタミンB2 リボフラビン 脂質・糖質・タンパク質の酸化的代謝 レバー・牛乳・卵
ナイアシン(B3) ニコチン酸 NAD+の構成成分・細胞エネルギー産生 マグロ・サバ・豚肉
パントテン酸(B5) コエンザイムA合成・副腎機能サポート レバー・アボカド・納豆
ビタミンB6 ピリドキシン タンパク質代謝・神経伝達物質合成 マグロ・バナナ・鶏肉
ビオチン(B7) ビタミンH 炭水化物・脂質・タンパク質の代謝補酵素 卵黄・ナッツ・レバー
葉酸(B9) フォレート DNA合成・赤血球形成・胎児発育 ほうれん草・枝豆・レバー
ビタミンB12 コバラミン 神経鞘(ミエリン)保護・赤血球形成 貝類・レバー・魚全般

これら8種類はいずれも体内に貯蔵しにくい水溶性ビタミンです。余剰分は尿中に排泄されるため、毎日の食事から継続的に摂取することが重要です(ビタミンB12のみ肝臓に数年分を貯蔵できる例外です)。

2. なぜビタミンB群が疲労回復に効くのか?そのメカニズム

疲労の正体は「エネルギー産生の低下」と「細胞・神経へのダメージ蓄積」です。私たちの体は食事から摂った糖質・脂質・タンパク質を、ミトコンドリアでATP(アデノシン三リン酸)という形のエネルギーに変換して利用しています。

このATP産生プロセスの中心にあるのがクレブス回路(TCAサイクル)です。クレブス回路が正常に回転するためには、ビタミンB群の複数種が補酵素として欠かせません。具体的には以下のような役割分担があります。

  • B1(チアミン): ピルビン酸→アセチルCoAへの変換を触媒(糖質エネルギー化の入口)
  • B2(リボフラビン): FADとしてクレブス回路と電子伝達系に関与
  • B3(ナイアシン): NAD+としてクレブス回路の酸化還元反応を担う
  • B5(パントテン酸): コエンザイムAの構成成分(脂肪酸のβ酸化に必須)
  • B6: アミノ酸をエネルギーとして利用する際のアミノ基転移酵素の補酵素
  • B7(ビオチン): ピルビン酸カルボキシラーゼの補酵素(糖新生に関与)
  • B9(葉酸)・B12: 赤血球形成と核酸合成を通じて酸素運搬能力を維持

つまり、ビタミンB群が不足するとエネルギー産生の「流れ」が滞り、疲労物質(乳酸・アンモニア等)が蓄積しやすくなるのです。これが慢性疲労の主要メカニズムの一つです。

ポイント

ビタミンB群はエネルギーを「直接」作るのではなく、エネルギーを作るための「酵素の働きを助ける」役割を担います。一種でも不足すると全体のエネルギー産生効率が下がります。

3. ビタミンB1(チアミン)— 糖質代謝と乳酸除去

ビタミンB1は、「疲労回復ビタミン」の代名詞として最も広く知られています。その主な役割は、食事から摂取した糖質(炭水化物)をエネルギーに変換するプロセスを助けることです。

特に重要なのが、「ピルビン酸デヒドロゲナーゼ」という酵素の補酵素としての働きです。このステップでビタミンB1が不足すると、ピルビン酸がアセチルCoAに変換されずに乳酸として蓄積します。乳酸の蓄積は筋肉疲労・だるさ・筋肉痛の直接的な原因の一つです。

不足するとどうなるか?

  • 慢性疲労・倦怠感
  • 集中力・記憶力の低下
  • 手足のしびれ・むくみ(脚気の初期症状)
  • 食欲不振・消化不良
  • 心機能低下(重度の場合)

B1が特に不足しやすい人

  • 白米・精製パン・砂糖を多く摂る人(糖質の処理にB1を大量消費)
  • アルコールをよく飲む人(アルコール代謝でB1を消耗)
  • 激しい運動をする人
  • 妊娠中・授乳中の女性

推奨摂取量(厚生労働省 2020年版)

成人男性:1.1〜1.4 mg/日 成人女性:0.9〜1.1 mg/日

4. ビタミンB2(リボフラビン)— 脂質代謝とストレス耐性

ビタミンB2の最大の役割は、脂質・糖質・タンパク質の「酸化的代謝」を助けることです。体内でFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)という形に変換され、ミトコンドリアの電子伝達系で中心的な役割を果たします。

また、B2は活性酸素を除去する抗酸化酵素(グルタチオンレダクターゼ)の補酵素でもあります。ストレスや過労で活性酸素が増えると、B2の消費量が増加します。これが「ストレスが多い人ほどB2が不足しやすい」と言われる理由です。

不足するとどうなるか?

  • 口角炎・口内炎・舌炎
  • 皮膚の炎症・脂漏性皮膚炎
  • 目の充血・光過敏
  • 疲れやすさ・体力低下
  • 成長障害(小児の場合)

推奨摂取量

成人男性:1.3〜1.6 mg/日 成人女性:1.0〜1.2 mg/日

多く含む食品

豚・牛・鶏のレバー(最高レベル)、うなぎ、牛乳、卵、アーモンド、納豆

5. ビタミンB6(ピリドキシン)— 神経伝達・ストレス軽減

ビタミンB6は、タンパク質を構成するアミノ酸の代謝に不可欠な補酵素です。特に重要なのは、神経伝達物質の合成に関わる点です。

  • セロトニン(幸福ホルモン): トリプトファン→セロトニン合成にB6が必要
  • GABA(抑制性神経伝達物質): ストレス・不安を緩和するGABAの合成にB6が関与
  • ドーパミン・ノルアドレナリン: 集中力・意欲に関わる物質の合成にも寄与

つまり、B6が不足すると精神的ストレスに弱くなり、イライラ・不安・うつ的症状・不眠が生じやすくなるのです。現代社会で「精神的疲労」を感じやすい人には、特に重要なビタミンといえます。

PubMedに掲載された2022年の臨床試験(Noah L et al., Nutrients, DOI: 10.3390/nu14091863)では、マグネシウム・ビタミンB6・B9・B12・ロディオラ・テアニンの複合サプリメント(Mg-Teadiola)を慢性ストレス状態の成人49名に28日間投与した結果、プラセボ群と比較してDASS-42ストレス指数が有意に低下(p=0.04)したことが確認されています。睡眠の質や痛み感受性の改善傾向も観察されました。

不足するとどうなるか?

  • 精神的不安定・イライラ・抑うつ
  • 口内炎・皮膚炎
  • PMS(月経前症候群)の悪化
  • 免疫機能の低下

推奨摂取量

成人男性:1.4 mg/日 成人女性:1.2 mg/日(厚生労働省 2020年版)

6. ビタミンB12(コバラミン)— 神経保護・貧血予防

ビタミンB12は、神経細胞を包むミエリン鞘(神経鞘)の維持と赤血球の正常な形成に欠かせないビタミンです。不足すると神経への影響が深刻で、「疲れやすさ」にとどまらず手足のしびれ・認知機能低下・歩行困難などに発展することがあります。

PubMedに掲載された2025年の症例報告(Mesgarankarimi A et al., J Med Case Rep, DOI: 10.1186/s13256-025-05149-7)では、40歳の女性が10年以上にわたり倦怠感・筋骨格系の痛み・手足のしびれ・認知障害・視神経炎といった多彩な症状を抱え、線維筋痛症や甲状腺疾患と誤診され続けた症例が報告されています。精査の結果、血中B12濃度が150 pg/mL未満の悪性貧血(自己免疫性胃炎)と判明し、非経口B12投与によって神経症状が大幅に改善したとされています。

この症例は「B12欠乏症は貧血(赤血球の巨大化)がなくても神経症状が先行して現れる」という重要な事実を示しており、慢性疲労の方は一度B12レベルを確認することが推奨されます。

B12が不足しやすい人

  • ベジタリアン・ヴィーガン(動物性食品にしか含まれない)
  • 50歳以上(胃酸分泌低下により吸収率が下がる)
  • プロトンポンプ阻害剤・メトホルミン服用者
  • 萎縮性胃炎・クローン病などの消化器疾患がある人

推奨摂取量

成人:2.4 μg/日(日本人の食事摂取基準 2020年版)

多く含む食品

あさり・しじみ・牡蠣(圧倒的に高含有)、レバー、さんま・いわし・鮭、牛乳・チーズ

7. ナイアシン(B3)— NAD+再生と細胞エネルギー

ナイアシンは、体内でNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という補酵素に変換されます。NAD+はクレブス回路・解糖系・電子伝達系すべてに関与する、まさにエネルギー産生の中核物質です。近年は細胞老化やDNA修復にも関わることが注目されています。

また、ナイアシンは脂質代謝にも深く関わり、LDLコレステロールを下げてHDLコレステロールを上げる効果が医薬品レベルで認められています(高用量の場合)。

不足するとどうなるか?

  • 疲労感・脱力感・食欲不振
  • 皮膚炎(日光過敏)・下痢・認知症様症状(ペラグラ病)
  • 集中力・判断力の低下

推奨摂取量(NE:ナイアシン当量)

成人男性:13〜15 mgNE/日 成人女性:11〜12 mgNE/日

8. パントテン酸(B5)— 副腎機能とストレスホルモン

パントテン酸は「どこにでも存在する」という意味のギリシャ語を語源とするビタミンで、その名の通り多くの食品に含まれています。体内ではコエンザイムA(CoA)の構成成分として働き、脂肪酸のβ酸化・アセチルCoAの生成・ステロイドホルモン合成に不可欠です。

特に「副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の合成」に関与しているため、ストレス応答を司る副腎機能の維持に重要な役割を担います。慢性的なストレス状態ではパントテン酸の消費量が増大し、「副腎疲弊」と呼ばれる状態に陥りやすくなります。

不足するとどうなるか?

  • 疲労感・頭痛・不眠
  • 胃腸障害・食欲不振
  • 手足のしびれ・灼熱感(「焼ける足症候群」)
  • ストレスへの耐性低下

目安量

成人男性:6 mg/日 成人女性:5 mg/日

9. 葉酸(B9)— DNA合成と精神的疲労

葉酸は細胞分裂とDNA合成に不可欠なビタミンです。特に赤血球の正常な形成に関与しており、不足すると「巨赤芽球性貧血」を引き起こし、全身への酸素供給が低下して強烈な疲労感をもたらします。

また、葉酸はビタミンB12とともに「メチオニン合成酵素」の補酵素として働きます。このメチル化反応が正常に行われないと、神経機能の維持に問題が生じます。葉酸とB12は相互補完的な関係にあり、片方だけを補充しても十分な効果が得られないことがあります。

妊婦における葉酸の重要性(神経管閉鎖障害の予防)は広く知られていますが、成人全般においても精神的疲労・認知機能・気分安定に深く関わっています。

推奨摂取量

成人:240 μg/日(妊娠中は480 μg/日)

多く含む食品

ほうれん草・モロヘイヤ・枝豆・アスパラガス・牛レバー・納豆

10. ビオチン(B7)— 代謝の縁の下の力持ち

ビオチンはかつて「ビタミンH」とも呼ばれ、皮膚・毛髪・爪の健康維持で知られています。しかしそれだけでなく、糖新生・脂肪酸合成・アミノ酸分解など多くの代謝酵素の補酵素として機能します。

ビオチン欠乏は通常の食事では起きにくいですが、生卵白を大量に食べ続けるとアビジンというタンパク質がビオチンと結合して吸収を妨げることが知られています。また、長期的な抗生物質投与で腸内フローラが乱れると、腸内細菌が産生するビオチンが減少することがあります。

不足するとどうなるか?

  • 皮膚炎・脱毛・爪の変形
  • 筋肉痛・神経炎
  • 倦怠感・食欲不振

目安量

成人:50 μg/日

11. 臨床エビデンス:PubMedで確認された研究結果

以下に、PubMedに掲載された査読済み論文を根拠として、ビタミンB群と疲労回復の関係をまとめます。

研究1:ビタミンB複合体(B1・B2・B6・B12)28日間補充による疲労軽減と運動パフォーマンス向上

出典:Lee MC et al., International Journal of Medical Sciences, 2023年8月
DOI:10.7150/ijms.86738(PMID: 37786445)

台湾体育大学が実施したランダム化二重盲検クロスオーバー試験(n=32、男女各16名、20〜30歳)。28日間のビタミンB複合体(Ex PLUS:B1・B2・B6・B12配合)投与の効果を検証。

  • 疲労困憊までの持久走時間が投与前の1.26倍に有意増加(p<0.05)
  • 運動中・安静後の血中乳酸濃度が有意低下
  • 血中アンモニア濃度も有意低下(疲労物質の蓄積が抑制)
  • 副作用なし

→ 非アスリートの一般成人においても、B群複合補充により疲労軽減・持久力向上が示されました。

※上記の研究結果は集団平均値であり、個別の効果を保証するものではありません。効果や反応には個人差があります。

研究2:マグネシウム+ビタミンB群(B6・B9・B12)複合摂取による慢性ストレス軽減

出典:Noah L et al., Nutrients, 2022年4月
DOI:10.3390/nu14091863(PMID: 35565828)

フランスで実施されたRCT(n=100、成人・慢性ストレス状態)。Mg-Teadiolaを28日間摂取。

  • DASS-42ストレスス指数がプラセボ群より有意に低下(p=0.04)
  • 冷痛覚感受性の有意な低下(p=0.01)
  • 56日目の追跡で睡眠の質(日中機能障害)が有意に改善(p<0.001)

→ ビタミンB群(特にB6)をマグネシウムと組み合わせることで、ストレス・睡眠・痛み感受性に複合的な改善効果が得られることが示されました。

※上記の研究結果は集団平均値であり、個別の効果を保証するものではありません。効果や反応には個人差があります。

研究3:ビタミンB12欠乏症の神経症状と誤診リスク

出典:Mesgarankarimi A et al., Journal of Medical Case Reports, 2025年4月
DOI:10.1186/s13256-025-05149-7(PMID: 40176197)

40歳の女性が10年以上にわたり慢性疲労・筋骨格痛・しびれ・認知障害・視神経炎で苦しみ、線維筋痛症・甲状腺疾患・自己免疫疾患と誤診され続けた症例。精査でB12<150 pg/mLの悪性貧血と判明し、非経口B12投与で神経症状が改善。

→ 貧血(巨赤芽球)がなくても神経症状・慢性疲労として現れるB12欠乏症があり、多くの場合で見落とされるリスクがあります。

※上記の研究結果は集団平均値であり、個別の効果を保証するものではありません。効果や反応には個人差があります。

12. ビタミンB群が不足しやすい人の特徴

ビタミンB群は水溶性で体内に貯まりにくく、現代の食生活や生活習慣によって容易に不足します。以下に当てはまる方は要注意です。

精製食品・外食中心の食生活

白米・白パン・インスタント食品・コンビニ食は加工の過程でB群が大幅に失われます。特にB1・B2・葉酸が少なくなります。

アルコールを頻繁に摂取する人

アルコールはビタミンB1・B6・葉酸・B12の吸収を妨げ、消費量も増加させます。飲酒量が多い人はほぼ確実にB群が不足傾向にあります。

慢性的なストレス・過労状態

ストレス応答(コルチゾール産生、神経伝達物質合成)にB群を大量消費するため、忙しい人・精神的負担が大きい人は不足しやすいです。

ベジタリアン・ビーガン

ビタミンB12は動物性食品にしか含まれないため、植物性食品のみの食事では必ず不足します。サプリメントや強化食品での補充が必須です。

50歳以上の方

加齢とともに胃酸分泌量が低下し、食品中のB12を胃で遊離させる能力が落ちます。また、内因子(B12吸収に必要なタンパク質)の産生も低下します。

特定の薬を長期服用している人

プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾールなど)はB12吸収を低下させます。メトホルミン(糖尿病薬)もB12を枯渇させることが知られています。

13. ビタミンB群を多く含む食品一覧

B群を効率よく摂るには、多様な食品を組み合わせることがポイントです。以下の食品を積極的に取り入れましょう。

食品 B1 B2 B6 B12 葉酸 ナイアシン
豚レバー(100g)
豚ロース(100g)
うなぎ(100g)
マグロ赤身(100g)
あさり(100g) ◎◎
卵(1個)
ほうれん草(100g) ×
バナナ(1本) ×
納豆(1パック)
玄米(150g) ×

◎=豊富 ○=含む △=少量 ×=ほぼ含まない(概要目安であり精確な数値は「日本食品標準成分表2020」参照)

14. 効果的な摂り方・吸収率を高めるコツ

コツ1:複数種を同時に摂る

ビタミンB群は単独で働くのではなく、互いに協力して機能します。「B1だけ」「B12だけ」という摂り方より、8種類をバランスよく摂る方が相乗効果を発揮します。これが「ビタミンB複合体(B-Complex)」サプリメントが推奨される理由です。

コツ2:毎食こまめに摂る

水溶性ビタミンは過剰摂取分が数時間で排泄されます。1日分を一度にまとめて摂るより、3食にわけて摂取する方が血中濃度が安定します。

コツ3:加熱・水さらしを最小限に

ビタミンB群は熱と水に弱い性質があります。野菜は茹でるより蒸す・電子レンジ調理が有効です。茹でる場合は茹で汁もスープとして利用すると溶出分も摂取できます。

コツ4:アリシンとの組み合わせ(B1)

豚肉のビタミンB1はニンニク・ネギ・タマネギに含まれるアリシンと結合して「アリチアミン」になり、腸からの吸収率と体内での持続時間が大幅に上昇します。豚肉の生姜焼きにニンニクを加えるなどの組み合わせが有効です。

コツ5:腸内環境を整える

ビタミンB群の一部(葉酸・ビオチン・B12など)は腸内細菌によっても産生されます。善玉菌を増やす食品(発酵食品・食物繊維)を積極的に摂ることで、腸内でのB群産生も助けられます。

15. サプリメントの選び方と注意点

ビタミンB複合体(B-Complex)を選ぶ

先述の通り、単一のB群より8種複合の方が効果的です。「B-50」「B-100」などの製品はB1〜B12を50〜100 mg/μg均等に配合したものが多く、日常的な補充に適しています。

活性型(コエンザイム型)を選ぶとより有効なことも

B6の「ピリドキサル-5-リン酸(P-5-P)」、B12の「メチルコバラミン」、葉酸の「メチルテトラヒドロ葉酸(MTHF)」などは、通常型より生体利用率が高い活性型です。特にMTHFR遺伝子多型を持つ人(葉酸のメチル化が苦手)には活性型葉酸が有効です。

過剰摂取に注意が必要なものも

  • ナイアシン(B3): 高用量(500mg超)で「ナイアシンフラッシュ」(皮膚紅潮)が起きることがある
  • ビタミンB6: 長期間の高用量(100mg/日超)摂取で末梢神経障害を引き起こすことが報告されている
  • その他のB群は水溶性で毒性リスクは低いが、医薬品との相互作用に注意

注意点:B群補充前に医師への相談を

特定の薬(メトホルミン・プロトンポンプ阻害剤・抗てんかん薬など)を服用している方、慢性疾患がある方は、サプリメント開始前に医師や薬剤師にご相談ください。

※栄養素の効果は研究で報告された傾向であり、個別の効果を保証するものではありません。摂取は適量を守り、症状がある場合は医師にご相談ください。

16. よくある質問(FAQ)

Q. ビタミンB群のサプリを飲むと尿が黄色くなるのはなぜですか?

A. ビタミンB2(リボフラビン)が持つ黄色い色素が尿中に排泄されるためです。過剰摂取した分が排出されている正常な反応であり、特に心配する必要はありません。

Q. エナジードリンクのビタミンB群は効果がありますか?

A. 多くのエナジードリンクにはB群が配合されていますが、実際の効果の大半はカフェインによるものです。B群の含有量はサプリメントより少ないことが多く、糖分・カフェインの過剰摂取にも注意が必要です。習慣的な疲労対策にはB群サプリや食事改善の方が適切です。

Q. ビタミンB群は朝・昼・夜どのタイミングで飲むのがよいですか?

A. 食事と一緒に摂ることで吸収率が高まります。B群はエネルギー代謝を活性化するため、夜遅くに摂ると目が冴えて眠れなくなる場合があります。朝・昼の食事と一緒に摂るのがおすすめです。

Q. ビタミンB12は植物性食品から摂れますか?

A. 基本的に動物性食品にしか含まれないため、ベジタリアン・ビーガンの方はサプリメント・B12強化食品(豆乳・シリアルなど)での補充が必須です。海藻(のり)に微量含まれるという報告もありますが、必要量を満たすには現実的でありません。

Q. 体が慢性的にだるいのですが、まずどのB群を摂ればよいですか?

A. 原因を特定するには血液検査が最も確実です(B12・葉酸・フェリチン・甲状腺ホルモン等を確認)。自己判断で始めるなら、B1〜B12を網羅したB複合体サプリが最も無難です。それでも改善しない場合は医療機関での精査をおすすめします。

17. 参考文献

PubMed掲載論文(査読済み)

  1. Lee MC, Hsu YJ, Shen SY, Ho CS, Huang CC. A functional evaluation of anti-fatigue and exercise performance improvement following vitamin B complex supplementation in healthy humans, a randomized double-blind trial. Int J Med Sci. 2023;20(10):1272-1281. DOI: 10.7150/ijms.86738
  2. Noah L, Morel V, Bertin C, et al. Effect of a Combination of Magnesium, B Vitamins, Rhodiola, and Green Tea (L-Theanine) on Chronically Stressed Healthy Individuals—A Randomized, Placebo-Controlled Study. Nutrients. 2022;14(9):1863. DOI: 10.3390/nu14091863
  3. Mesgarankarimi A, Rezapour M, Tabrizi N. A long-standing undiagnosed case of vitamin B12 deficiency: a case report. J Med Case Rep. 2025;19(1):151. DOI: 10.1186/s13256-025-05149-7
  4. Oddoux S, Violette P, Cornet J, et al. Effect of a Dietary Supplement Combining Bioactive Peptides and Magnesium on Adjustment Disorder with Anxiety: A Clinical Trial in General Practice. Nutrients. 2022;14(12):2425. DOI: 10.3390/nu14122425

日本語参考資料

  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」ビタミンB群各項目
  • 国立健康・栄養研究所「健康食品の素材情報データベース」

※免責事項:本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、診断・治療を行うものではありません。記載内容は効果を保証するものではなく、効果や反応には個人差があります。気になる症状や不調がある場合は、必ず医療機関で医師の診察を受けてください。

執筆者プロフィール

山﨑 駿(やまざき しゅん)
にこのあ整体院 院長 / 臨床歴12年

保有資格:鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師(国家資格4つ)・Doctor of Chiropractic(D.C.)(CCEA認可・国際基準カイロプラクティック学位)

学歴:日本工学院八王子専門学校(柔道整復科)卒業 / 東京呉竹医療専門学校(鍼灸あん摩マッサージ指圧科)卒業 / 日本福祉大学 経済学部 / TCC東京カレッジオブカイロプラクティック(旧ロイヤルメルボルン工科大学日本校カイロプラクティック)卒業

経歴:整骨院2院にて臨床経験を積んだ後、2019年より八王子にてにこのあ整体院を開業。

専門領域:脊椎疾患(D.C.として脊椎専門)・国家資格範囲全般

現在研鑽中:SAJ スティルジャパンアカデミー(フランスオステオパシー正規課程)にてD.O取得に向けて研鑽中

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この記事を書いた人

鍼灸あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師。国際基準カイロプラクター(D.C.)・ディプロムドオステオパシー(D.O.)取得予定。日本工学院八王子専門学校 柔道整復科 卒業/東京呉竹医療専門学校 はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師科 卒業/TCC東京カレッジオブカイロプラクティック(旧ロイヤルメルボルン工科大学日本校カイロプラクティック)卒業。PubMed論文・公的機関情報を引用しながら、骨格・神経・内臓・栄養を統合した視点で健康情報を発信しています。

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