整体の値段は高い?保険リハと比べた適正価格を国家資格4種の専門家が解説

  • URLをコピーしました!

「整体って、なんだか高い気がする」——そう感じたことはありませんか。病院のリハビリは窓口で数百円なのに、整体は1回数千円。窓口で払う金額だけを比べれば、そう思うのは自然なことです。

けれど、その「窓口の金額」と「実際にかかっている本当のコスト」は、まったくの別物です。この記事では、保険のリハビリの“本当の値段”を診療報酬点数から計算し、整体の料金が適正かどうかを、データをもとに正直に整理します。

監修:おひげ先生(山﨑駿)

柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師(国家資格4つ)/登録販売者(都道府県免許)
国際基準カイロプラクティック学位 D.C.(Doctor of chiropractic)
ディプロム・ド・オステオパシー(D.O.)取得予定(修学中)

所属:オステオパシー・メディスン協会/JCR認定カイロプラクター

日本工学院八王子専門学校 柔道整復科 卒業/東京呉竹医療専門学校 はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師科 卒業/TCC東京カレッジオブカイロプラクティック(旧RMIT ロイヤルメルボルン工科大学 カイロプラクティック科 日本校)卒業

体のふしぎと健康のことを多角的な視点で発信中。

→ 監修者プロフィール詳細はこちら

目次

「整体は高い」と感じるのは、ごく自然なこと

整形外科などで受ける保険のリハビリは、窓口で払う金額が数百円〜千円台です。一方、自費の整体は1回数千円。並べて見れば、整体のほうが高く感じられて当然です。

でも、ここで一度立ち止まって考えてみたいのが、「窓口で払う金額=そのサービスにかかっている本当のコスト」ではない、という点です。保険のリハビリには、私たちが窓口で払っていない“見えない部分”があります。そこを計算に入れて並べ直すと、見え方が大きく変わってきます。

【結論】保険リハの“本当の値段”で比べると、整体は適正価格

先に結論をお伝えします。

保険のリハビリの料金を、自己負担ではなく「10割(全額)」の本当のコストに計算し直すと、整体の一般的な料金は、それほどかけ離れた水準ではありませんでした。つまり整体が特別に高いのではなく、保険リハの“本当の値段”が窓口に出ていないだけなのです。

なぜそう言えるのか。実際の診療報酬点数を使って、順番に計算していきましょう。

診療報酬点数で計算してみる

病院やクリニックで受けるリハビリの料金は、国が定めた「診療報酬点数」で決まっています。ルールはシンプルです。

  • 1点=10円
  • リハビリは1単位=20分で計算する

腰痛や肩こりなど、整体が対象とするような体の不調に最も近いのが「運動器リハビリテーション料」です。2024年度(令和6年度)の改定では、次のように定められています。

運動器リハ料 点数(1単位=20分) 10割(本当のコスト)
(I) 185点 1,850円
(II) 170点 1,700円
(III) 85点 850円

最も手厚い運動器リハ(I)でも、20分で1,850円(10割)。1分あたり約92.5円です。この単価で時間に換算し、整体の一般的な料金(全国でおおむね1回5,000〜8,000円・40〜60分)と並べてみます。

比べる相手 40分 60分
整体(自費)の一般的な料金 約5,000〜6,000円 約6,000〜8,000円
保険リハの本当のコスト(10割換算) 約3,700円 約5,550円
患者の窓口負担(3割) 約1,110円 約1,665円
窓口負担(1割・高齢の方) 約370円 約555円

こうして並べると、整体の料金は保険リハの“本当のコスト(10割)”と同程度〜やや上であり、けっして桁違いに高いわけではないことが見えてきます。窓口負担と比べると数千円高く“見える”だけなのです。

※リハビリは20分単位で算定するため、上記は1分単価(92.5円)で時間換算した概算です。実際の保険診療では、これに初診・再診料やリハビリ計画の料金などが別途加算されます。整体の料金は院や地域により幅があります。点数は2024年度改定時点のものです。

なぜ窓口の負担は、こんなに安く見えるのか

「本当のコストは同程度」なのに、窓口では3割で1,000円ちょっと。整体の料金とは数千円の差に“見えて”しまいます。この差の正体はシンプルです。

保険のリハビリで窓口の負担が1〜3割で済むのは、残りの7〜9割を、みんなの健康保険料と税金が肩代わりしているからです。つまり、リハビリの“本当の値段”は、あなたの窓口の領収書には出ていないだけなのです。

整体は完全に自費なので、この“肩代わり”がありません。だから10割(全額)が窓口の料金として表に出ます。「整体が高い」のではなく、「保険リハの本当の値段が見えにくい」——これが、多くの方が感じる違和感の本当の理由といえます。

そもそも、整体に健康保険は使えるの?

「整体にも保険が効けばいいのに」と思われるかもしれません。ここは誤解の多いところなので、整理しておきます。

柔道整復師(接骨院・整骨院)の健康保険が使えるのは、骨折・脱臼・打撲・挫傷(肉ばなれなど)・捻挫といった“ケガ”の場合のみです(骨折・脱臼は応急手当を除き医師の同意が必要です)。

慢性的な肩こり・腰痛・体の疲れ・体調管理などを理由に健康保険を使うことは、ルール上できません。これらで保険を使えば不正請求になってしまいます。慢性的な不調へのケアは、もともと自費で受けるのが本来の形なのです。

つまり、「整体に保険が効かない」のは制度上あたりまえのこと。その分、自費の施術はケガに限らず、慢性的なお悩みにもじっくり向き合えるという特徴があります。

自由診療(自費)だからこそ、できること

同じくらいのコストをかけるなら、自費の整体にはどんな特徴があるのでしょうか。保険診療には保険診療の、自費施術には自費施術の良さがあります。

1. 施術内容と時間の自由度

保険のリハビリは「20分で1単位」と時間が区切られています。一方、自費の施術には時間の制限がなく、それぞれの院が定めた時間のなかで、じっくり体に向き合えるのが特徴です。

2. 保険の枠にとらわれないアプローチ

保険診療には「ここまで」という決められた枠があります。自費施術なら、その枠にとらわれず、必要な施術を組み合わせられるのが大きな特徴です。骨格・筋肉・神経・内臓のつながりまで含め、幅広い視点でアプローチできる院もあります。

整体の「適正価格」をどう考えるか

ここまでの計算をふまえると、自由診療の整体の適正価格は、おおむね4,500〜6,000円程度が一つの目安といえます。これは、保険リハの本当のコスト(10割)と並べても、けっして高すぎない範囲です。

ただ、いちばん大切なのは、「安ければいい」「高ければいい」というものではない、ということです。

体が変わっていくには、ある程度の時間がかかります。だからこそ大切なのは、一度きりの安さでも、特別な高さでもなく、無理なく続けて通える範囲の金額かどうか。続けられる料金で、納得できる施術を受けられること。それが、本当の意味での「適正価格」だといえるでしょう。

まとめ

  • 整体の料金を「窓口負担」だけで保険リハと比べると、高く見えるのは当然。
  • しかし保険リハを10割(本当のコスト)に換算すると、整体の料金は同程度〜やや上で、桁違いに高いわけではない。
  • 窓口負担が安く見えるのは、7〜9割を公的保険が肩代わりしているから。
  • 整体(慢性的な不調へのケア)は制度上もともと自費。4,500〜6,000円程度が適正価格の目安
  • 大切なのは安さでも高さでもなく、無理なく続けられること

⚠️ 本記事の位置づけ

本記事は一般的な健康情報を提供する目的で作成されており、特定の症状・疾患の診断、治療、予防を意図したものではありません。診療報酬点数は2024年度(令和6年度)改定時点のもので、料金比較は時間単価による概算です。整体の料金は院や地域により異なります。

気になる症状が続く場合、強い痛みやしびれを感じる場合は、自己判断せず医療機関(整形外科・神経内科等)へご相談ください

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

鍼灸あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師。国際基準カイロプラクター(D.C.)・ディプロムドオステオパシー(D.O.)取得予定。日本工学院八王子専門学校 柔道整復科 卒業/東京呉竹医療専門学校 はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師科 卒業/TCC東京カレッジオブカイロプラクティック(旧ロイヤルメルボルン工科大学日本校カイロプラクティック)卒業。PubMed論文・公的機関情報を引用しながら、骨格・神経・内臓・栄養を統合した視点で健康情報を発信しています。

目次